防 災 講 座

 

はじめに、防災の基本的考え方

 1,自助・・・・自分の命は自分で守る。

 2,共助・・・・地域・職場で助け合い、被害拡大を防ぐ。

 

防災を考えるには、まず、災害発生のしくみを知る事も必要

 *地震(直下地震、海溝型地震)

 *津波(東日本大震災、南海トラフ地震等)  *字句の意味、トラフとは浅い海溝

 *風水害(台風、集中豪雨、洪水)

 *高潮、竜巻、雷、豪雪

 *土砂災害(土石流、がけ崩れ、地すべり)

 *火山噴火、火砕流、溶岩流

 *住宅火災、ビル火災、地震火災

 

 

第1講 地震・津波による災害

 

 地震のしくみと被害」  

  Ⅰ,地震列島日本

   1,プレート境界と地震・火山活動

    日本列島の周辺には、4枚のプレートがひしめき合っている。

    太平洋プレート、フイリピン海プレート、北米プレート、ユーラシアプレートである。

    地球の表面は、十数枚のプレートと呼ばれる岩板に覆われていて、それらは互いに

               動き合っており、これらプレートの境界あたりで、地震活動や火山活動が活発なのである。

    プレートの境界では、海のプレートが陸のプレートの下に沈み込んでいる所もあるし、

    陸のプレート同士がぶつかり合っている所もある。

               プレートの境界では、しばしば大きな地震が発生する。

              海底下のプレート境界の地震を海溝型の地震と呼ぶ。

                   

Ⅱ.震度とマグニチュード

 

 震 度・・・・・・人が感じる揺れの強さを、気象庁や各自治体の観測点で、計測震度計により

          観測して発表される。

          気象庁の震度階級は0から7まであるが、5と6はそれぞれ強と弱に

          分けられていっるで、全部で10段階になる。

 マグニチュード・・地震の規模を表す尺度で、頭文字をとってМで表現する。

          地震のマグニチュードの決め方にもいろいろあって、「実体波マグニチュード

          、「モーメントマグニチュード」などがある。

          マグニチュードは、断層破壊領域の大きさの程度あるいは

          地震エネルギーを表す尺度でもある。

          一般的にⅯ7.8以上の地震を巨大地震という。2011年3月11日に発生した

          東北地方太平洋沖地震は、Ⅿ9.0の超巨大地震であった。

 

 

Ⅲ.地震による災害

 1,地震による建築物や土木構造物の被害

  強い地震動は、建築物や土木構造物などに大きな被害をもたらす。

  1995年1月の阪神・淡路大震災では、約10万5,000戸の住家が全壊し、高速道路が

  横倒しになるなどの被害を生じた。地震の発生が早朝だったため、6,400人あまりの

  犠牲者のうち約8割は、自宅にいて家屋が倒壊し、圧死または窒息死したものである。

 

 

 「津波のしくみと被害」

Ⅰ.津波発生のメカニズム

 津波の発生原因

  地震によって発生する津波は、「地震津波」と呼ばれる。これに対して、火山噴火など地震に

 よらない津波を「非地震性津波」と言う。

    海底下の比較的浅い所(0~60km)を震源として大きな地震が発生すると、

      地震断層運動により海底が隆起・沈降し、それが生き写しに海水に伝わり、

    海面が上下することにより津波が発生する。

 

Ⅱ.津波地震と遠地津波

 1,地震の揺れが弱くても、大津波が来ることがある。~津波地震~

 2,地震を感じなくても、大津波が来ることがある。~遠地津波~

   日本では、1,960年のチリ地震津波が、遠地津波の典型例である。

           5月23日、南米チリ沖で発生した超巨大地震(Ⅿ9.5)による津波が、

          22時間あまりかけて太平洋を渡り、翌24日に日本の沿岸を襲って、

         北海道から沖縄にかけ142人の死者を出した。

Ⅲ.津波災害の特性

 1,津波の速さはジェット機並み

   津波は長波に属するために、その伝播する速度は、水深2.000mの海では、

   津波の伝わる速さ時速約500kmに達する。

   太平洋の平均水深は約4.000mだから、時速約700㎞というジエット機並みの速さで

   伝播することになる。

 2,津波は何波も来る

   一波より第二波、第三波のほうが高いケースが多い。

 3,津波は奥湾で高くなる

 4,津波は川や運河を遡上する

   川を40㎞以上遡上したケースもある。

 

Ⅳ.津波から身を守るには

 1,地震を感じたらすぐ避難を

   地震の揺れが弱くても、長時間ゆっくりと揺れるようなときは、津波地震の可能性がある。

  すぐ海岸から離れ、安全な場所に避難しょう。津波の初動は、引き波とは限らない。

  突然、押し波が表れる場合もあるので、海面の変化を確認してから逃げるのでは遅い。

 2,鉄筋づくりのビルを避難所に

   鉄筋コンクリート造の建物のできるだけ高い階を避難所としておくことが望ましい。

 

Ⅴ.津波が引き起こす二次災害

  津波による被害は様々である。人的被害、建物被害に加えて、インフラ被害、水産・農業被害

  観光地での被害などがある。 この原因は、津波による浸水、波力に加えて、土砂移動、

  塩水の侵入、漂流物の襲来、さらには火災がある。

 

第2講 気象災害・風水害

  Ⅰ,国土の特徴と風水害

   1,日本の河川の特徴

    日本は北半球にあり、アジア大陸の東の端に位置し、南北に伸びた細長い国土を

    有している。

    日本の気候の特徴として、四季がはっきりしている点があげられる。

    冬はユーラシア大陸から寒冷な空気が北西方向から日本列島に吹き込み、

    乾燥と寒さをもたらすが、日本海側の地方では大陸との間に日本海があるために、

    乾燥・寒冷とはならず、日本海の水蒸気が雲となって日本海側に雨や雪をもたらす。

    夏は太平洋高気圧に覆われ、海からの湿った暖かい空気が日本列島に吹き込む。

    このように夏と冬で季節風のもたらす効果が逆であり、大きく捉えれば、

    その入れ替わりの時期が梅雨と秋雨のシーズンといえる。

    梅雨前線と秋雨前線はほぼ毎年一定の期間日本付近にとどまって、

    まとまった雨をもたらす。 

   

 

       Ⅱ、地球温暖化と異常気象

   1,エルニーニョ現象とラニーニャ現象

     異常気象の原因のひとつに「エルニーニョ現象」や「ラニーニャ現象」が知られており

    どちらも太平洋東部赤道域における海水温の変化である。

     海水温が高くなるものを「エルニーニョ現象」、低くなるものを

    「ラニーニャ現象」という。

    海水温の変化によって大気の流れが変わり、日本付近の気圧配置に影響を及ぼすと

    考えられている。

    一般に、エルニーニョ現象発生時に東日本、西日本で暖冬、西日本と南西諸島に

    冷夏の傾向がみられる。

   2,ゲリラ豪雨

     近年の都市型異常気象災害の一例として、マスコミが「ゲリラ豪雨」と呼ぶ現象が

     あげられている。

    ゲリラ豪雨は、地球温暖化や大都市ヒートアイランド化などが原因となって起こると

    いわれている。局地的な予測の難しい豪雨のことである。

    **線状降水帯**

    2014年8月豪雨(広島土砂災害)や2015年9月関東・東北豪雨、

    2017年九州北部豪雨などでは、積乱雲の大気下層に新たに積乱雲が次々と発生する

    という積乱雲の生成現象が繰り返され(バックビルディング現象)、

    帯状に連なる「線状降水帯」が形成された。

   3,内水氾濫

     街を襲う水害の原因は、川の水が堤防を越えたり、堤防が決壊して大量の水が

    街に流れ込んで起きることだけではない。

    このような場合は「外水氾濫」と呼ぶが、これとは別に大量の雨が降って、

    水量が下水道や排水施設の処理能力を上回ったために、市街地に溢れだして起こる

    現象を「内水氾濫」と呼ぶ。

    

     

第3講 土砂災害

 Ⅰ,日本の土砂災害

  1,日本の国土環境の特徴

   日本列島は約7割が山地で、しかも地質は脆弱なうえ、多くの断層・構造線が走っている。

   梅雨前線や台風などによる豪雨もあり、年平均降水量は世界平均の880mmに比べ、日本は

    約倍の1718mmという多雨国である。活火山は111を数え、世界第4位。マグニチュー 8,0

         以上の大地震も世界の約2割が日本で発生している。

   このような自然環境に加え、多くの人口を擁する日本は、土砂災害が常時発生するリスクと

  宿命を負っていると言わざるを得ず、土砂災害対策は日本の防災対策上きわめて重要な

  位置を占めている。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

 

  

 

 

 

Ⅱ、土砂災害の特徴

  典型的土砂災害として、土石流、がけ崩れ、地すべりがある。

 

           **土砂災害の前兆現象**

  ①土石流の前兆現象の例

   ・普段聞きなれない大きな音や異様な音が聞こえ る(山鳴り、石のぶつかる音など)。

   ・何とも言えない、土や木の葉が腐ったような異様なにおいがする。

   ・急に川の流れが濁り、流木が混ざってくる。

   ・雨が降り続いているのに川の水位が下がる。

   ・火花がみえる。土煙。山が動く。樹木がざわざわ動く。

  ②がけ崩れの前兆現象の例

   ・斜面に割れ目がみえる。   ・斜面から水が湧き出るようになる。

   ・湧き出ていた水が濁り出す。 ・斜面から小石がばらばら落ちてくる。

   ・斜面にある樹木の根が切れるなどの音がする。

  ③地すべりの前兆現象の例

   ・斜面に割れ目が見える。・斜面から水が湧き出るようになる。・沢や井戸の水が濁る。

   ・家屋などの構造物に亀裂が入ったり、樹木や電柱などが傾く。

   ・土煙。山が動く。樹木がざわざわ動く。

 

 

   

 

            ※ 此処までの分、動画をご覧ください。

      「地震動画 1」 ←こちらをクリック

                        「地震動画 2」

                         「地震動画3」                                      

                         「豪雨等動画」